第61回:愛知子ども応援プロジェクトについて~子どもの貧困・教育格差をなくすために~
●日時:2021年10月12日(火)16時00分~17時00分
●場所:WEB 会議(Zoom)
●参加団体:32 団体(運営 8 団体含む)
●参加人数:40 名(運営スタッフ 14 名含む)
1. 情報提供
○坂本氏(名古屋市市民活動推進センター):
名古屋市からの情報提供。賞味期限前の災害用備蓄食品を配布する。水、ビスケット、アルファ化米など賞味期限がもうすぐ切れてしまう名古屋市の備蓄用品 を所管する防災危機管理局が無料で配布するというもの。配布対象は名古屋市内の法人、団体。防災 のための備蓄品であることから、配布する際に何らか防災の啓発活動を行うことが条件。今週木曜日、 14 日から申し込み受付開始。先着順のため、総在庫に達した場合は受付終了になる。問い合わせは担 当の防災危機管理局危機防災室へ直接問い合わせでほしい。
https://www.city.nagoya.jp/bosaikikikanri/page/0000145638.html
〇種村氏(RSY):
事務局から 2 点お知らせ。一つ目はマッチングの報告で、9 月のおたがいさま会議 でご登壇いただいた名古屋難民支援室さんに、多文化共生リソースセンター東海さんがコンタクトを 取り、難民の方たちにも提供できる食料ということで、長期保存が可能な缶入りのパンを計 44 個ご 提供されたという報告があった。一部はハラール認証を受けられたものを提供されたそう。詳しくは リンク参照。
https://note.com/mrct/n/n157a3f49a038
もう一つは研修の紹介で、8 月にご登壇いただいたダブルケアパートナーさんがダブルケア支援につ いての研修を開催する。関心がある方はリンク参照のこと。
> 第2回福祉専門職向けダブルケア支援力向上研修開催のご案内
https://www.facebook.com/wcarepartner/posts/868296093887510
2. 話題提供
〇テーマ:『愛知子ども応援プロジェクトについて~子どもの貧困・教育格差をなくすために~』
(藤野直子氏:名古屋名東ロータリークラブ・愛知子ども応援プロジェクトサポートコーディネーター)
・昭和区の子どもつなぐ子ども未来の理事の小塚さんから関口さん(Risa 編集長・NPO おたがいさま会 議コーディネーター)に繋いでいただき今日お話させていただくことになった。小塚さんとは、東日 本大震災のときの被災者支援ボランティアセンターの活動でご縁をいただき、昨年久しぶりに子ども食堂で感激の再会をして今も親しくさせていただいている。
・4 年ほど前から子どもの貧困教育格差をなくすための活動に取り組んでいる。いつも私は講演の機会をいただくと、参加者に子どもの貧困についてどのくらい知っているか尋ねたあとで、絶対的貧困と 相対的貧困があるという話、相対的貧困率をどうやって割り出しているのか、またマスコミでよく言 われる 7 人に 1 人のお子さんが貧困状態にあるというのはどういう根拠から来てるのか、ということ をまず説明する。数字で落とし込むことでたいていの方が状況を理解してくれる。
・今ロータリークラブの中で話題になっているのが「非認知能力」についてである。ノーベル平和賞を 受賞したヘックマン博士の本を読もうと呼びかけている東京の会員の影響もあり、幼少期の声かけや教育がどれだけ子どもたちに大事なのかということを、ロータリークラブの中で広めるようにしてい る。あとは食の格差・保護者の状況については表に現れてにくく、貧困状態として実際ダブルワーク、 トリプルワークしてるお母さんたちが多いというようなお話をすると、理解してもらえる。
・ロータリークラブの会員や企業経営者には年齢が高い方も多いが、貧困というとボロボロの洋服を着 て裸足で歩いてるみたいなイメージを持ってる人が多い。しかし今は見た目ではわからない。洋服等 も安価で手に入り、小奇麗にしていてかわいい洋服を着て携帯も持っていたりするのでなかなか見え にくいが、実は栄養が偏っていたりするというお話をさせていただき、そこから子ども食堂について の話や愛知県の子ども食堂の現状の説明している。子ども食堂は、開設のときに保健所への届け出や 何か認可を取るということが必要ないので開設するときのハードルは低いが、継続が困難であるので 支援が必要だということなどを話している。
・2017 年 8 月、私も子ども食堂をやりたいと思っていた時期があったがとても自分でできる自信はな く、それなら子ども食堂の後方支援をしようと。当時私は名古屋名東ロータリークラブの社会奉仕委 員会の委員長を務めており、子ども食堂の支援をしようと思いたった。ところがロータリークラブは、 役職の任期全てが単年であり 1 年で変わってしまう。元々アメリカで始まっているので宗教上の問題 も大きく、また決して独裁にならない制度でもあることから、ロータリークラブが 100 年続いてる所 以にもなっているのだが、そうすると継続した奉仕活動が困難で、例えば私が子ども支援をやりたい と思って社会奉仕委員長として着手しても、次年度の委員長が全然子ども支援に興味がなく老人介護 をやりたいとなると、そこで途切れてしまう。何としても継続をしたかったので、ロータリークラブ のシステムである「ロータリー地域社会共同体(RCC)」を結成することで継続できるようにした。
・RCC の特徴はロータリークラブの会員以外の方たちから成るグループというところであり、会員が実 際に奉仕活動するのではなく、地元のニーズに応えるために地域で活躍している方たちに会員が協力 するというのが特徴である。この RCC を結成すれば子ども食堂の支援を継続して行うことができ、ア メリカの国際ロータリーに正式に認証してもらって活動するので、1 年限りで終わることはないとい う理由で、4 年前にこの共同体を結成した。
・この RCC を結成する 2 ヶ月前、愛知子ども食堂ネットワークが結成されていて、これはまさに RCC が 支援させていただくべきネットワークだということで、ネットワークの皆さんのご了承を得てこの RCC を結成することになった経緯がある。
・去年のコロナ禍において急速に食糧支援が進んだが、子ども食堂はもちろん、学習支援団体やひとり 親支援団体、それからささしまサポートセンターとも繋がらせていただき、いわゆる困窮者支援をし ている団体や活動している人たちのところに、本当に困っている方の情報が集まっているということ がみえてきた。そこで愛知子ども食堂ネットワークだけではなく、広範囲に連携していきたいという ことで、「愛知子ども RCC」という形に名称変更した。
・コロナ禍以前は、著名な方をお招きしてフードバンクの成功例を学んだり、子ども食堂フォーラムに 参加させていただいたり、シンポジウムをやったり、いわゆる勉強会を食料支援と同時に行っていた。
・コロナ禍になると、食事の提供は駄目、密になる会場は駄目ということで、子ども食堂の活動がフー ドパントリーや宅配弁当に大きく変化した。中文化センターで子ども食堂を開催してるなかぶんさん は、密を避けて屋外でフードパントリーを行ったり、昭和区のつなぐハウスでは宅配弁当をしたりと、 子ども食堂の方たちは活動を大きく転化した。
・こうした状況下で、2020 年 3 月、当時の RCC の愛知県トップの方に現状を伝え相談したところ、地区 内 85 のロータリークラブすべてに情報が行く仕組みを通じて、私たちの活動を伝え、食糧支援の依頼をしてくださった。愛知県内には約 5000 名の会員がおり、非常に多くの食料品が集まった。3 月 29 日に初めてフードパントリーを開催するときにも、私が存じ上げない方々から食料品をたくさん送っ ていただいた。その後もずっと食糧支援が続いてる。
・名古屋市内には 25 のロータリークラブがあるが、社会奉仕のための予算として年間 320 万円程度の 金額が集まる仕組みがある。昨年はここから 100 万円の支援金をいただき、食料品や粉ミルクなどの 購入に充ててお困りの方たち届けることができた。
・年度が変わり昨年の愛知県トップの方は県内 85 のクラブを回る訪問で、子ども食堂への支援を呼び かけてくださった。それがきっかけで、食品メーカーから莫大なご支援をいただけることになり、多 くの数の支援品を頂戴している。豊田市の学習ポケットという、生活保護家庭の中学生のお子さんに 無料で学習支援をしている団体では、同社の商品を帰りにお土産で渡しているのだが、そうするとお 母さんがとても喜んで、無料学習支援の出席率が上がったという効果も出ている。やはり食品がある ということは、お腹が満たされることはもちろんだ、プラスアルファのいろいろ効果があるのだと実 感している。
・つなぐ子ども未来の安藤さんが中心になって行っている、名古屋市立大学への学生支援でも私たちで 食糧支援の協力をさせていただいていて、大学学長から感謝状をいただいた。企業の社長等多くの方 が支援に参加してくださっており、ポケットマネーで毎月 100 キロのお米を送ってくださったり、有 志の会を作って毎月 300 キロの送ってくださったりしてくださる方もいる。合計で毎月 400 キロの米 は、お米屋さんに協力いただいてお渡ししやすいように 1 キロずつの小分けにして、必要な方にお届 けしている。
・企業などからいただく支援品の配布のために、ある会社の工場を支援品の配布拠点にしていただいて いる。例えばある企業から食料品提供のお話があると、その工場に送っていただいたりしている。そ の後で、どういうものが来たということを LINE 公式アカウント、Google のグループメールで登録し てくれている子ども食堂や学習支援の団体に一斉に情報を配信し、締め切りを設けて応募を受け付け、 これまでの実績等を考慮しながら不公平感がでないよう各所に配布して、お困りのご家庭にお届けす るというシステムを作っている。
・今は昭和区社協さんにご尽力いただき、隔週木曜日朝 9 時から 10 時頃に昭和区社協に食料品が届く ようになっているが、愛知県には 13 ヶ所の冷蔵庫所有の拠点を設け、そこからくまなく食料品が行 き渡るようにしている。第 1・第 3 木曜日は名古屋市内から尾張地方、北の方に行って犬山愛西市一 宮稲沢を回る A コース、第 2・第 4 の木曜日は三河地方、豊田、豊川、刈谷、半田、岡崎を回ってま た名古屋に戻ってくる B コースに分けて、食料を配布している。
・元々大きな冷凍冷蔵庫を所有していた団体さんなどは、それをお借りして一緒に使わせていただいて いるが、冷蔵庫メーカーの会長が私と同じロータリーにいるので、これまでもいくつかの冷凍冷蔵庫、 大きなものを寄付していただいた。昭和区社協さんに置いていただいてる冷凍冷蔵庫もその企業から の寄贈品である。また個人で冷凍冷蔵庫を寄贈してくださる方もいて、本当にロータリークラブの繋 がりはありがたいと思っている。
・先ほどご紹介した食品メーカーの社長のおかげで現在では東名阪で活動が広がっており、神奈川県の 厚木にある流通業を営む企業のご協力もいただいて、子ども食堂の発祥の地でもある東京の大田区や 都内各地域のフードバンクなどに食料品を送っている。また大阪茨木市にある運送業を営む企業では、 大阪の西成区で 130 軒から 140 軒のこども食堂 NPO を束ねている団体へ、毎週火曜日に便を出して食 料品の配布を行っている。ロータリークラブではクラブからの支援金以外に個人からの寄付金も大変大きく、ふるさと納税の返礼品などを寄付してくださったり、大型冷凍冷蔵庫の寄贈してくださるケ ースもある。
・個々のクラブや地域の垣根を越えて本当にいろいろなクラブが子ども支援に興味を持って協力してくださっている。先日、岡崎ロータリークラブが地区の補助金という制度を使って小型の冷凍冷蔵庫と 現場貯蔵庫を岡崎の支援団体に寄贈させていただいた。岡崎東ロータリークラブは昨年度東京の豊島 区のわくわくネットワークの栗林さんをお招きして、広げようこども食堂の輪という会を開催した。 これもロータリークラブの財団の補助金制度を使って行ったものである。
・しかしロータリークラブができることは限られていて、地域で活動する運営者さんの力が何よりも大 事だということ、また個人情報を把握している行政との連携が本当に大事だと実感している。地域で 日々活動してくださっている運営者さんの皆さんの力がなければ、私どもがいくら寄付金を集めても 全く活かされるところはない。RCC というシステムは、本当に素晴らしいものであり、それぞれが持 てる力を持ち寄り、繋がる事ができる。ロータリークラブの中でも私がやっていることに反対する人 もいるが、一度講演をして 1 人か 2 人共感していただければいいと思って活動している。そうすれば そこから広がっていくだろうと思っている。
・悪いところもご紹介したが、やはりロータリークラブの皆さんは本当に素晴らしく、さまざまな業種 の人がいて、入ってきた動機もいろいろである。私は元々特別支援学級で本の読み聞かせのボランテ ィアをやっていたのだが、ロータリーに入った方が 1 人でやるより大きなことができるのではないか と思い入会した。中には自分の会社の関係で入らざるを得なくて入会している人などさまざまな目的 で入会しているが、入会後に奉仕活動に目覚める人たちもたくさんいて、本当にこのロータリークラ ブという枠があればこそ、全国の方々と繋がることができると、ロータリークラブに感謝している。
・ロータリークラブの支援としてとしては、資金や食料品の支援が一番必要とされているのではないか と思っている。フードバンクの設立、具体的には大型冷蔵庫設置、拠点作り、配送網の構築を現在行 っている。配送は大きな問題であり年間 100 万円ぐらいの予算が必要だが、会員からの寄付金で賄うような算段で現在は行っている。これからはいろいろな助成金を活用していかないといけないと考えている。
・それから、ロータリークラブとしては学習支援、進学支援、就労支援をぜひやっていきたいと思っている。また多種多様な職業人の集まりである利点を活かして、キャリアデザインを子どもたちに支援していきたいと思っている。
・大きな目標としては 1 小学校区に 1 か所の子ども食堂を作りたい。そして来年の春に向けて今動いて いるのが「子ども基金」の設立である。子どもの学費が捻出できない、交通費があったら受験ができ るのに、公立高校に受かったが制服を買うお金が足りない、そういう方たちに簡単に支援してあげら れる基金を、寄付金を使って作りたいと思っている。もちろん不公平感があってはいけないので、そ の分配方法や募集方法など詰めていかなければならないことがたくさんあるが、今日の出席の皆さん にもお知恵をお貸しいただきご指導いただければありがたい。
・子どもの貧困を、子育てや貧困層の家庭のみの責任とせずに、子どもを第一に考えた支援を包括的に 早期に実施すると、これをロータリークラブの力を合わせて、まだまだできることがあるのではないかということをいつもロータリークラブで呼びかけている。
・緒方貞子さんの言葉に「熱い心と冷たい頭を持って」というものがある。緒方貞子さんはロータリー クラブのグローバル奨学金という制度を使われてアメリカの大学に留学されたという経緯をお持ち でロータリークラブにご縁のある方でもある。私はつい頭も熱くなってしまうこともあるのですが、こういう思いで活動に取り組んでいる。いろんな思いもった人がいて、私自身は本当に大したことは してなくて「連絡係」と言っているが、こうした人たちを「繋げる」ことで何かが生まれるのではな いか、と思っていつも活動している。
3. ブレイクアウトルームでのディスカッションを終えての質問・感想など
○小池氏(よだか総研):まずお聞きしたいのが、藤野さんは本業は何をされているのかということと、このロータリークラブの活動にはどれくらい時間を使っているのか、ということ。
→藤野氏:有限会社 Justice という会社を経営している。今年起業して 18 年目。ホテルの仕事がほ とんどで、結婚式やイベントのプロデュース、トークショーやディナーショーのプロデュースをし ている。コロナ禍で仕事は大打撃で大変厳しい状態だが、徐々に戻りつつある。それで、ロータリ ーの活動に関わる時間は最近本当にすごい時間になってしまっていて、優先順位をつけて取り組んではいるが、夜中 4 時ぐらいまで手を動かしていることもある。
〇林氏(陽和):私たちは困難を抱える子どもたちの支援をしている。私どもに支援の依頼があるときには、最悪な状況の子どもたちが来るケースが非常に多い。行政からの依頼の場合には、生活保護受給 までの食事がないだとか、あるいは申請中なのでそれまでの期間の食事がないといった緊急の状況の ことも多い。そういった場合に、私たちのような子ども食堂以外の団体が支援を受けたいというとき には、どういう手順でどこに連絡すれば支援を受けられるのか、お教えいただきたい。
→藤野氏:現在の「愛知子ども応援 RCC」という活動は、国際ロータリークラブの認証を受けていていろいろと制約がある。RCC を外した方が身動きがとりやすいということで、まだ正式ではないが 「愛知こども応援プロジェクト」という名前で活動を仕切り直すところ。この「愛知こども応援プ ロジェクト」がこの 10 月から登録を受け付けている。登録していただければ公式 LINE や Google グループメール等で支援の情報が届く仕組み。また緊急性が高い場合は直接お声掛けいただければ と思う。今、社協さんに冷凍冷蔵庫を置いていただき、私どもが用意した支援品をストックしてい ただいている。そこでお困りの方たち、例えば緊急小口融資出した方などに、社協の方の判断で食 料品を渡していただく。お米も置いていただいている。
→大津氏(昭和区社会福祉協議会):昭和区においては柔軟に使わせていただいていて、とてもありがたく思っている。行政機関からの依頼のケースもあるし、地域の方が見守り活動の中で支援 が必要な方、子育て中の家庭や高齢者の方などを発見されて、そういう方に緊急的に支援として 使わせていただいている。
→藤野氏:私たちに直接連絡を取るのが難しかったりたどりつけないこともあると思う。私自身は連 絡先をオープンにしているので、いつ連絡をいただいても対応させていただくが、理想としては、 行政や地域の方が窓口になってくださって、そこに私どもが支援品を用意しストックしていただく のが良いと思っている。全国、少なくとも名古屋市内全区にあればよいが、現状は、昭和区社協と 南区社協の 2 区と連携していて、基本的にはその 2 区に連絡をしていただければ。あとは「つなぐ ハウス」にお越しいただければと思う。
〇鈴木氏(デンソー):本当に素晴らしいお話をありがとうございます。同じグループに、藤野さんとご 一緒に活動されている小塚さんと染野さんが入っていて、いかに藤野さんがパワフルで素晴らしい活 動されてるかという話をいろいろと聞くことができた。私の感想としても、ロータリークラブの活動 を具体的に聞くのは初めてで本当に素晴らしい活動をされているということと、最後のお話で今後の 目標について、各学区に子ども食堂を設けたいというお話や、子どもに対して貧困だけじゃなく、教育やキャリア支援などの複合的な支援をしていきたいというお話をされていて、例えば学区ごとに子 ども食堂ができて、そういった複合的な支援の拠点がそこに設けられたら本当に素晴らしい活動にな ると思って聞いていた。
〇斎藤氏(名古屋市市民活動推進センター):子どもの支援として、まずは今困っている人を助けるとい うことだと思うが、子どもの貧困は、そもそも貧困家庭ができないようになっていくとよいのかなと 思っている。そこに向けての思いとか考え等がもし何かあればお聞きしたい。
→藤野氏:本当におっしゃる通りで、子どもの貧困イコール家庭の貧困だと思っている。元々子ども は自分で稼いでないわけで、だからこそ家庭を支えていくということがすごく大事だと思っている。 そこで、親御さんを支えるという意味ではやはり就業の支援が必要。既にある企業では就業の募集 もしていただいたりしているが、地域性などの問題でなかなかマッチングは難しく、就業について そんなに簡単にいくものじゃないということは実感している。けれども、やはり親御さんの仕事を きちんと支える、それで生活の基盤が整うということが必要だと思うので、私どもの就業支援はお 子さんに対してだけではなく、そのご家庭の親御さんに対しても、そういう就業の場というものを 提供できればいいなと考えている。
〇野川氏(名古屋市社会福祉協議会):同じグループだった滝川さんが千種区の町内会での防災活動さ れていることから、名東区の藤野さんと距離も近く、何か一緒に連携できないかという相談があった。
→滝川氏:非常に心強いお話をお聞かせいただいた。ぜひ連携させていただきたく、連絡を差し上げたい。
〇小池氏(よだか総研):本日初めて参加した渡辺さんから、一言今日の感想をお願いしたい。
→渡辺氏:「Nたま」という将来 NPO・NGO で働きたい人を支援するプログラムへ研修生として参加し ていて、その中で子どもの貧困という課題を解決するという企画を立てている。ロータリークラブ さんにも今後お世話になりたいと思っており、どのように繋がっていけばいいかということも教え ていただいたいので、これからもよろしくお願いします。
〇小池氏(よだか総研):おたがいさま会議は、元々コロナに加えて、コロナは一つの災害であることは 確かですけど、これにさらに自然災害が加わったときに、市民のネットワークが絶対に機能するだろ うということで始まった取り組みである。例えばこのあと東海地域に大きい災害があったりすると、 子ども支援の現場ってどうなってしまうんだろうとか、ロータリークラブの活動ってどうなってしま うんだろうとか、藤野さんにイメージがもしあったらお聞きしたい。
→藤野氏:災害が起きたときは、ぜひ私どもでできることはさせていただきたいと思うし、逆に皆さ んから教えていただかなければいけないことばかりだと思う。先ほど申し上げたように、ロータリ ークラブの支援方法というのは、支援品を用意したり、寄付金を出したりというのが一番ストレー トな方法。そんな中で、ただ支援品を届ける、寄付金を届けるというのではなく、近くにロータリ ークラブがあって、あなたを心配してる人が近くにいる、SOS を出していいんだ、ということをわ かって欲しいという思いがある。お渡しするのは味気ない現金かもしれないし、レトルトパックの お惣菜かもしれないが、そこにはそういう思いが込められているということもお届けしたい。今、 ロータリークラブでは、物やお金を出すだけでなく、自分たちが汗を流せということをすごく謳っ ている。最近若い年代のメンバーも増えてきて、昔よりはものすごいフットワークが軽くなってい る。こうして日ごろから皆さんと繋がれた中で、そういう活動も展開できていけばいいのではない かと考えている。
■まとめ
〇栗田氏(RSY):お話を聞かせていただき、すごいパワフルな方だと思った。大変インパクトのあるお話をありがとうございました。このパワーが原点なのだろうと改めて感じたし、藤野さんのような存 在がいろんな人を巻き込んでいく、いい意味で図々しく人を巻き込む力があるのだろうと思った。イ ベントのときの司会などをやっていただくとか、平常時から繋がれるといいなと。南海トラフに関す るイベントなどもいろいろやっているので、これを機会にぜひよろしくお願いしたい。基本的には、 災害が起きたら、まずはいま活動している NPO の機能をなるべく早く復活させることが非常に重要。 多分これだけ子どもたちがその子ども食堂を利用しているということは、災害時はなおさら必要だと 思う。まずはそこに注力をしていただくことが非常に重要なんだろうと。でも、こういう点は助けて 欲しい、こういう点が何か足りないんだというときには、ぜひこのネットワークに呼びかけていただ いて、みんなでその子ども食堂を応援するというような、そんなネットワークに発展できればいいな と、非常に感じました。引き続きよろしくお願いします。
〇藤野氏:今日は本当に貴重なお時間いただきありがとうございました。今日いただいたご縁を大切に、 これからも活動に注力していきたい。またイベントの司会は無償でご協力させていただくので、ぜひ お声掛けください。ありがとうございました。
■愛知こども応援プロジェクト Line QR コード
4. 次回の予定
■日時:2021年10月19日(火)16時00分~17時00分
■テーマ:『愛知県の新型コロナウイルス感染症対応の経緯と今後』
■ゲスト:北川喜己氏(名古屋掖済会病院副院長・救命救急センター長)
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