第41回:身近な地域での困り事解決のためのつながりづくり

会議レポート

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●日時:2021年5月11日(火)16時00分~17時00分
●場所:WEB会議(ZOOM)
●参加団体:32団体(運営9団体含む)
●参加人数:40名(運営スタッフ16名含む)

1. 身近な地域での困り事解決のためのつながりづくり

●栗本浩一氏:合同会社P-BEANS ソーシャルデザイン事業担当マネージャー

〇自己紹介

・合同会社P-BEANSとは?

地域共生社会に向けた、ヒト・モノ・コトをデザインする会社で、生活期の「リハビリ」を中心に行っている。部門としては、ライフデザイン事業・ソーシャルデザイン事業・カンパニーデザイン事業に分かれている。

・生活期リハビリテーションとは?

発病後の状態は、急性期、回復期、維持・生活期に分かれる。生活期で暮らしている方のリハビリ、訪問看護。居宅介護をやっている。生活期のリハビリは、その方ご自身の活動や参加することを向上させている。その人らしく、地域で自立した生活が送れるためには、その人たちが暮らす地域へのアプローチが必要となるので、地域連携等による取り組みを行っている。

いろんな方の困りごとを地域、企業につなげて、みんなで解決して、やりたいことを実現させる。

本人も含め、他の人にあてはまる「場づくり」を進める。そして周りの人たちにもその活動を知ってもらい、それぞれの立場からの社会参加を促している。

〇2020年行った事業

「足助4Sの会」
・テーマ:豊田市足助地区の困りごとを、足助地区の障がい者や高齢者で解決できないか?
 担い手不足の解決の為「病院の長期入院者の洗濯」「お寺の本堂、境内、お墓周りの清掃」「ゴミステーション代わりにごみを持っていく」「節分豆まきの準備」などに地域のデイサービスの利用者が協力した。地域のなかで地域の困りごとを共有し、それを解決していった。

「麦ストロープロジェクト」
・テーマ:社会的な課題の解決と施設活動のマンネリ解消、少しだけでも参加できる気軽さ
 脱プラスチックストローに取り組んだ。自然栽培若手農家×バーテンダー×いくつかの福祉事業所×おもしろ弁護士と共同で行った。一緒に取り組む中で、新しいつながりや話題が次々に湧き出した。

〇今年度から始まった新しい動き

・重層的支援体制整備(推進)事業【厚生労働省】の豊田市展開開始に伴い合同会社P-BEANSが受託。「参加支援協議会」を発足し、今年4月から「とよた多世代参加支援プロジェクト」が始まった。

例えば、8050問題の世帯への支援として、どことも上手く繋がれない方々に対して、地元のお店、福祉事業所、企業等の様々な団体と連携して問題を解決する取り組み。

2. 質疑応答

〇名古屋市市民活動推進センター・斎藤氏:中間支援の一つのあり方だと感じ、大変勉強になった。その中で、行政、社協、専門事業所で一緒に事業をやると、物事を進めるペースが合わなく、簡単には物事が進まないことが多いと思う。これまで進めてきた事業の中で、この辺が苦労した、気を付けた点はあるのか?

→栗本氏:もともと豊田市の社協にいたが、今のタイミングで同意見の方とつながることが必要だと感じたため、社協を離れた。現在は、コロナで行えてないが、豊田市の福祉事業所はみんなで集まることが多かった。その為、会話がしやすい雰囲気がもともとあった。市役所、社協もその場に入ってきていた。

〇名古屋市市民活動推進センター・斎藤氏:行政だと「明日からすぐやろう」等は、なかなか動けないことが多いので、まず民間で先に動いて、その後、行政に協力をしてもらう等、そういった動きの順番はあるのか?

→栗本氏:市役所では予算がついても来年、再来年等が多いので、事前に動きを伝えて、その担当部局にイメージを持ってもらっていた。

〇日本福祉協議機構・星野氏:今後はどのような展望があるのか?地域での困りごとをどのような方法で吸い上げていったのか?様々な方とのネットワークはどのように構築していったか?

→栗本氏:今後は福祉の事業所だけでは限界あるので、地域の個人商店、個人事業、地域とつながっていきたい、働く場、参加する場とつながっていきたい。

吸い上げ、ネットワークについては、民生委員の定例会から吸い上げを行い、地域の中で行われている共有会議(地域包括センター等)で吸い上げを行った。また、そういった会議で地域のかかわりがある方に声をかけていって、ネットワークを広げていった。

〇名古屋市社協・野川氏:名古屋市も重層的支援体制整備(推進)事業を肝いりで進めていかなければと考えている。そんな中で、豊田市で合同会社P-BEANSと社協との連携のイメージを聞きたい。

→栗本氏:豊田市の重層的支援体制整備(推進)事業参加支援プロジェクトの仕組みは、重層支援会議➡関係包括が参加(社協、民生委員が)➡企業、民間の福祉事業所につなげる➡仕組み、案を作る(地域共生社会に貢献したい人をつなげていくのがキモ)

〇株式会社デンソー・鈴木氏:先ほど紹介をされた様々な課題に対して、課題と支援する方とをコーディネートする際にどういった事に気を付けているか?どういった観点でコーディネートをしているか?また、事業として活動をしていく中で、収益性をどのように解決していくのかを教えていただきたい。

→栗本氏:SDGs等の言葉を使って、みんなに注目をしてもらえるようにしている、知ってもらうことに注視しながら取り組んでいる。また、収益性については、こことこことつないだら、お金がでるのでは?をポイントとして活動をしている。

〇レスキューストックヤード・栗田氏:そもそも、栗本さんの給料はどのように発生している?ボランティアですか?また、このコロナ禍でどのような影響があったか?

→栗本氏:合同会社P-BEANSの代表社員が、生活期のリハビリを行うには地域にしっかり出ていくという理念のもと経営をしている。栗本氏の給与は他の部門から捻出している。コロナ禍では、飲み会も含めて、新しい出会いやアイデアが生み出される機会がなかなか作れない。また、オンラインの会議にもまだ慣れていないし、地域によってはWifi環境が整っていないところもある。

〇レスキューストックヤード・浜田氏:コロナ禍だから去年からのプロジェクトを進められなかったので、ゆっくり確認しながらできたとの話も以前聞いたが、そのあたりを詳しく聞きたい。

→栗本氏:コロナ禍で集まって会議ができない、いろんな人に声をかけられないので、少人数で進めていった。一つの話題を、少しずつ進められて、時間をうまく使えたと感じた。

3.参加者紹介・イベント紹介、まとめ

〇豊田技術会・鈴木一省氏:トヨタ自動車社員の有志の団体。学校へ出前の事業、豊田市でのイベントなどでのボランティアを行っている。今回感じたことは、地道に世の中の困りごとを知り、できることに取り組む、こういった方面の社会貢献も大変参考になった。

〇コーディネーター・萩原氏:おたがいさま会議豊田の紹介:6月3日18:00~ 第1回目のプレミーティングを開催。別途案内を出します。

〇ボランタリーネイバーズ・青木氏:「NPOが活動と雇用を継続するための学習会&相談会」の案内10月まで月1、2回のペースで、様々なテーマで行う。下記リンク先を参照。

〇本日のまとめ/栗本氏:リハビリの会社なので、自転車をこいで発電をし、それを売買するといったような発想を、地域の方々と一緒に、笑い話から考えていきたい。また、是非いろいろな話を聞かせてください。

4. 次回の予定

2021年5月18日(火)16時00分~17時00分

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