地域の居場所“つなしょ”の運営と、フードパントリーの実施について(小幡緑地冒険遊び場の会)

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■小幡緑地冒険遊び場の会「つなしょ」(中村真由子氏)

小幡緑地冒険あそび場の会は守山区で屋外と屋内両方の遊び場・居場所を運営している。屋外は小幡緑地、屋内は民家を借りて駄菓子屋と遊び場を行っていた。3年前に緑が丘住宅という団地に引越し、子どもだけでなく大人も集まれる居場所を運営してきた。以前は事務所で子どもが遊んだりしていたが、今はコロナ禍で休止せざるを得ない状態。事務所には台所もあり、「つなバル」という大人向けの飲み会もしていたができなくなってしまい、悲しい。

屋内の居場所を休止した代わりに、代わりにセカンドハーベスト名古屋などからいただいた食材を週3回配るフードパントリーの活動「食べ物おすそ分けの会」を始めた。現在はコロナウイルスの感染拡大が止まらないため、週2回に減らしている。(水・日曜の14時~17時)。受け取りに来るのは未就園児~小学校低学年の子どものいる親御さんたちが一番多い。虐待などの明らかな問題がある家庭というよりは、その前、これから生活費がかさむようになる人たちや、崖っぷちから落ちる前くらいの人だと思う。

直接「つなしょ」に食材を取りに来れない人のために、他の人が食材を届けることが出来る「お元気ですかセット」(600円)の販売も始めた。気になる人がいる人が購入し、食材や手紙、返信用のはがきをレターパックにつめて友人や知人に送ることができるセット。

「つなしょ」に来所した人は手洗いをし、体温測定をする。部屋の中までは入れないように、入り口のすぐ近くに棚を設置し、大人も子どもも「1分間で、両手に持てるだけ」の食材を持ち帰ってもらっている。すごくたくさん持って帰る人もいる。棚の横で寄付を募っており、リピーターの方が100円とか200円を入れてくれている。

「ハッピーカード」というコロナ前から実施している仕組みがある。今は休止しているが、以前はつなしょで駄菓子屋をしていた。お金を持たずに来た子のために「お金を持っていない子も安心して、ハッピーカードを書こう」と貼り紙をした。カードを書いた子には、(駄菓子は変えなくても)セカンドハーベスト等からもらったお菓子を渡していた。今は来所した子どもたちに必ず書いてもらっている。近況報告やイラストなどが思い思いに書かれており、ハッピーカードを綴じたものは「つなしょ」のスタッフの宝物だと思っている。

最近は外国人支援も始めた。中村さんが講師をつとめる、「保育・介護・ビジネス名古屋ビジネス専門学校」の生徒たちの生活が厳しいことを知ったため。コロナ前から留学生に食べ物を配っていたが、コロナ後からつなしょの活動として留学生への寄付の募集やフードパントリーも始めた。

留学生たちは19歳~35歳くらい。介護福祉士の資格取得を目指して、ベトナム、バングラデシュ、中国、韓国、ネパールなどから来日している。

留学生の生活は厳しい。週に28時間までしか働けないので、その範囲で得られる収入で生活をやりくりしなければならない。(オーバーワークをすると帰国させられてしまう。)数人で1つのアパートに一緒に住んでいることが多く、お弁当もキャベツとウインナーだけだったりする。自転車がなく、学校まで遠くから歩いて通う生徒もいる。さらに、介護福祉士の実習のため施設に通うことが多く、交通費がかさむことも生活を圧迫している。

少しでも足しになればと、中村さんが学校にセカンドハーベスト名古屋からもらった食材を月に2回程度届けている。食べ方が分からない食材は食べ方を教え、会話を通じて家に電子レンジがないことが分かったりする。

生活用品も不足している。リュックサックやTシャツが欲しいという子も。古着はいらないと言われる。若く、日本に夢を持って新品のものやきれいなものが欲しい。タオルや文房具の方が喜ばれる。外国人にとっては日本語で試験は難関。

感想:つなぐ子ども未来・小塚氏:場所が広くてびっくりした。昭和区のつなぐハウスは2月10日にオープン。つなしょと同じような活動をしている。開所早々、コロナ禍に見舞われた。つなしょは理想的な活動をしていると感じた。たくさんの方が気軽に利用されている。つなぐハウスはまだ利用者が少ないので、つなしょの活動を参考にしたい。

Q:NPO法人レスキューストックヤード・浦野:東日本大震災で宮城県の七ヶ浜で支援活動をしている。七ヶ浜でも駄菓子屋をはじめた。「お元気ですかセット」が面白い。相手とつながるきっかけを自分たちで作っていると感じた。送り先の住所などはどうしているか?
A:
買った人が自分の友人や知人の住所、名前を書いて送るもの。「つなしょ」が気になる人に送ることもある。以前はすぐ近くの老人ホームのおばあちゃんが店番をしてれていた。お年寄りたちが「つなしょ」に来ていた子どもたちに送ってあげたいと言われることもある。お礼の返信はがきを書くかどうかは受けた人にゆだねられているが、つなしょにはがきが戻ってくることもある。

Q:リリオの会・今枝氏:うちは小牧なので名古屋経済大学の留学生が多い。入学してすぐコロナの影響でアルバイトができず大変困っている。そうした影響はあるか。また、ムスリムの方にはどう対応しているか。
A:
すごくある。フードパントリーの時には「カレーは(牛肉が入っているから)いらない」と言われたりする。

Q:コーディネータ・小池:ものや食材は足りていますか?
A:
つなしょには今、食材がたくさんあるが、セカンドハーベスト名古屋さんがコロナの影響で活動を縮小すると聞き、備蓄するようにしている。しかし留学生たちには食品も何もかも足りていないと思う。中村さんが食材を持っていけるのは月に2回くらい。生活用品も足りていない。シャンプーやリンス、洗剤、ボールペンやシャープペンシル、蛍光ペン、消しゴムなどは喜ばれる。

Q:コーディネータ・小池:短期的な問題に加えて、働く場所がないなど社会の仕組みの問題を感じていると思うが、どんなものがあると思うか。
A:
介護福祉の学校なので、日本語がかなりうまくならないと試験にも合格できない。学校の授業だけでは日本語の上達が難しい。バイトはコンビニやレストランが多い。学校ではできるだけ介護施設でバイトするよう促している。授業とバイトがつながるとスキルアップにつながり、時給も高い。

Q:RSY浦野:下着など提供できそうだが、留学生の男女比を教えて欲しい。
A:
男女比は半々くらい。華奢な体つきの人が多いので、XLサイズのものは必要ない。ジャストサイズの服が好まれるため、SやMサイズがありがたい。

Q:名古屋市社協・野川氏:つなしょに生活用品などを寄付したい時はどうしたらいいか?
A:
水曜と日曜の午後であれば直接持ってきてもらってもいい。守山区社協でも受け取りができる。保育介護名古屋ビジネス専門学校に直接届けてもらってもいい。

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