コロナ禍における『外国人支援の現状③』(徳林寺・東海ベトナム人協会)

現場の課題

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■徳林寺・高岡住職、東海ベトナム人協会・ユンさん
・活動は、外国人で仕事をなくし、住む場をなくした方に向け住居の提供を行っている。
・現在は 47 名の外国人が住んでいる。ベトナム人 45 人、スリランカ人 2 名。
・徳林寺の部屋を開放して30部屋確保し、最大60名は受け入れられる体制が整っている。もっと増えるとなると工夫が必要になる。さまざまな方面から支援があり生活用品はある程度そろっているが、支援をしていただけると助かる物品もある。
・NPO 法人多文化共生リソースセンター 東海の土井さんからは、日本全体に社会的存在を知らしめる角度からの支援を受け、給付金でも支援してもらった。住居連を通して寄付金をいただいき、外国人の方々に配った。
・集団としての一体感、平和、楽しい日常を過ごせるように支援を行っている。
・ベトナム人の受け入れについては、東海ベトナム人協会のユンさんが窓口になっている。

Q:徳林寺での支援は帰るまでの支援なのか?それとも就労の支援も行っているのか? (平沼氏)
A:就労等の支援は行っていない。現在は住居の提供を行っている。(高岡住職)
A:現在、ビザが切れている方が多く、就労ができない理由もある。またビザは有効だが病気、 妊娠で働けない状態の方もおられる。現在は 1 万人以上のベトナム人が帰国困難となって いるが、帰国の手段は国が用意する飛行機のみで、月に 1 便(300 名)程度しか飛んでいな い。(ユン氏)

Q:コロナや感染症に対する注意喚起の書面は行政から出ているが、ベトナム語表記のものは必要ないか?(土井氏)
A:週に2回ミーティングを行って情報共有を行って、コロナ対策を共有している。例えば、 3 密を避ける。徳林寺から無用に外出しない。手洗いうがいの徹底。 ただ、専門家ではないので良識の範囲で説明をしている状態(高岡住職)

Q:要望物資の一覧で肉の缶詰の表記があった。以前、徳林寺に訪問した時に肉の食事は避 けてもらっているとの話を聞いたが、肉の缶詰は大丈夫なのか?(浜田氏)
A:徳林寺内で生肉、生魚の調理は遠慮してもらっている。本来は宗教的に肉の缶詰もダメだが、コロナの現状では災害時と変わらないと考え、容認している。(高岡住職)

Q:直火の窯を利用しているため、鍋がもう少しあってはいいのでは?(浜田氏)
A:ちょっと大きな鍋があればうれしい。45cm鍋等で余ったものがあれば、分けてもらえると助かる。(高岡住職)

コメント:お寺は山の中にあって虫が多いため、虫除けグッズをご提供いただければありがたい。火を使う蚊取り線香は使えないため、電気・電池式だと大変ありがたい。(土井氏)
→もしあれば、よろしくお願いいたします。(高岡住職)

Q:徳林寺にいる外国人の方には外出を控えてもらっているとのことだったが、地域の反応 はどのような感じか?(Co.関口氏)
A:最初は不安があったが、昔から外国人が出入りしていたため、そういった話は聞かない。 ただ自粛が解かれるまでは、徳林寺内で楽しく生活できるように支援していく。(高岡住職)

Q:場の提供の話が出たが、渦中で活動をしているボランティアや支援者が、安心して支援を行える体制を整えることも重要な視点と考える。コロナ当初は直接支援が難しかったが、 現在は緩和されつつあり、今回の徳林寺さんのお話も踏まえ、ボランティアが関われる可能性はあるか(RSY 浦野氏)
A:保険・保障が整備されてきた影響もあるが、どういったことができるかは、具体的な活 動内容によって異なる。ボランティアニーズはあるため、アフターコロナ、ウイズコロナを 踏まえた社員からの相談も出ているため、どんなことが出来るのか考えていきたい。 (トヨタボランティアセンター・窪田氏)

Q:災害時も暮らしは続いていく。その部分は交流等を通じて、元気づけることはできないか?愛知淑徳大学の学生ボランティアとコラボすることは出来ないか(浦野氏)
A:帰国するまでの時間を有意義に過ごしてもらえたら…学生たちがベトナム語を教わるこ とにより、コミュニケーションを図ったり、互いの文化に触れる機会になればと考えている。 (愛知淑徳大学 CCC・秋田氏)
A:自粛ムードがまだあるが、個々人が交流してくれるのは歓迎。友人づくりにも良い場の 提供になるのではと考える。金・土・日とベトナム人による食事会企画も進めているため、 一緒に参加していただいても大丈夫。(高岡住職)

■高岡住職からの提案
徳林寺では、災害支援物資を置く場所の提供が可能。災害時には、活動を継続する拠点環境が必要だと考える。運営は NPO を想定し、お寺は場所を提供する、といったシステムを作り上げれば、協力をしてくれるお寺も多いのでは?(徳林寺:高岡住職)
→過去の災害では、地域のお寺が災害時の受け入れを行ったり、ボランティア活動の窓口拠 点として提供してもらったこともある。災害に備えてそういった輪が広がっていくことは 重要だと考える。(RSY 栗田氏)

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