『コロナ禍における生活困窮者支援の現状』(のわみ相談所)
■のわみ相談所・三輪氏
25 年前に名古屋市でホームレスの支援活動を始める。活動自体は善意で成り立っているので、おたがいさまの意識が息づいている。
今回のコロナ禍では、住居、食料を中心に支援を行っている。住→食→衣の優先順位で考え、住が一番重要と考えている。令和2年3月以降食糧支援が増えた。同時に外国人の雇止め問題の相談が増えた。
例えば、インド人の方で 今年の 1 月に病気になり復帰をしようとしたら、コロナの影響で復帰できずホームレスになった。そのため、のわみ相談所でシェルターを案内した。ただ、もともと調理師のビザで来ていたため、ほかの仕事には就けない状況だった。特別な申請をして他の仕事に就けるようにしたが、1 日 4 時間しかビザの関係で働けない状態。こういった方が、今後どんどん増 えていくことが予測される。
コロナ禍の第 2 波、第 3 波の影響で外国人、非正規社員の就労が追いやられる危惧がある。また、女性の相談者も増加している。多くは非正規雇用者だが、DVで居場所がない方もおられる。今回のコロナ禍は「人間の在り方の問題提起」だ。 人間生きていく上で、住む場所は基本。住があって人間は成長をしていく。
愛知県内の多くの方が今回のコロナ禍で家をなくすことを見据えれば、各自治体で緊急シェルターの常設し、せめて中核市は独自のシェルターが必要ではと考える。
Q:シェルターに入所するような困っている方は、どこにいるか?どういった状態なのか、 状況が見えない。のわみ相談所さんはどのように状況を掴んでいるのか?(Co.栗田)
A:25 年の活動の中でみんなに理解をしてもらえた。ネット検索や行政を通じて問い合わせ をされる方が多い。行政とも密な関係を築いてきた。一宮市だけではなく、愛知県内から情 報が入ってくる。我々のような団体が増えてほしい。
Q:おたがいさま会議を通じて、のわみ相談所に何かしたいと思ったら、どんなことができ るのか?(Co.栗田)
A:障がい者支援、便利屋部門、リサイクル部門、無料食堂、子ども食堂、日常の相談など 様々な事業があるので、みなさんにボランティアをしてもらえると助かる。また、フードバンクへの支援も有難い。
Q:のわみ相談所の支える側の体制はどのようになっているのか?(Co.根岸氏)
A:活動 5 原則の「当事者によって拡大強化される」の考え方の基、のわみ相談所から支援 を受けている方自身がボランティアに参加している。また、一宮市の「市民が選ぶ市民活動 支援制度」で毎年助成金を得ているほか、投票してくれた約 4000 名の市民の人的・物的支 援も大きな力になっている。
Q:今回のコロナ禍で食料の支援で配送等の困難はどう対応したのか?(Co.根岸氏)
A:シェルターの入居者が引き取りにいく。または、様々な企業が食料をもってきてもらえる 流れができている。
Q:今、シェルターで受け入れている外国人のサポートについて、連携している他の団体は あるか?(NPO 法人多文化共生リソースセンター東海・土井氏)
A:東海外国人支援ネットワークはじめ多くの団体と連携している。入国管理局との懇談も 行い、様々な情報共有を行っている。
Q:長年リサイクル事業に取り組んできた。コラボできそうか?(Co.萩原氏)
A:大変ありがたい。シェルターの方が自立をするときに、リサイクル品を無償又は、低価 格で提供しているので、連携ができれば有難い。
Q:密接になりがちな個別支援が多いですが、感染対策としてボランティア・スタッフはど のような対処をされているか?(RSY 浦野)
A:もともと子ども食堂は毎週土曜日開所、大人向けの食堂は 365 日開所していたが、今年 の 3 月からは食堂での配食をやめ、手渡しでお弁当を配っている。スタッフ等はマスク着 用などで感染防止に努めている。
Q:のわみ相談所さんでのマスク・消毒液等は足りているのか?(RSY 浦野)
A:コロナ禍の当初は不足していたが、自分たちで手作りマスクを作成したり、寄付でいた だいたりした。現在は不足していない。
Q:子どもの無料食堂について教えて下さい。このボランティアから今後、子どものために 何につなげていきたいと思っているか?(株式会社 愛和物産・千玉氏)
A:子ども食堂で食事をする前に無料の学習塾を開催している。それにより、高校への合格 者や不登校の支援につなげることができた事例もある。子どもの将来につなげたい。
Q:相談にいらっしゃる外国の方の国籍はどういう状況か?またコロナ禍において変化はあ ったか?(NPO 法人ル・スリール・ジャポン・石田氏)
A:のわみ相談所箇所当時は、日系ブラジル人・ペルー人が多かった。その後は技能実習生 関係で中国人が増えた。最近は、様々な国籍(ベトナム・中国・南米系)の方が増えたが、 ブラジル系の方は相変わらず多い。
※ 参加団体からのコメント(愛知中小企業家同友会・平沼氏)
のわみ相談所・三輪さんの話を聞いて、自社でも何かできることがあるのではと感じた。次回からもぜひ参加していきたい。
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