第94回:NPOの立上げから急成長する組織づくりまで

会議レポート

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●日時:10 月 25 日(火)16:00-17:00
●場所:WEB 会議(Zoom)
●参加団体:15 団体(運営 7 団体含む)
●参加人数:21 名(運営スタッフ名 11 名含む)

■情報提供(3 件)
〇関口氏(フリージャーナリスト)
・以前、おたがいさま会議で登壇いただいた、ウィシュマ・サンダマリさんを支援していた、津島の眞野さんが、先日「岩佐賞」を受賞されたのでご報告したい。平和部門での受賞で、賞金の 200 万円は、 難民や入管収容者の支援に充てたいとのことだ。岩佐賞ホームページをご案内するので、受賞の詳細 はこちらを参照されたい。(岩佐賞:https://sdgs-iwasazaidan.com/award/)

〇朝倉氏(金城学院大学教授)
(公立夜間中学の設立集会について)
・公立の夜間中学を設立しようというキックオフ集会が 12 月 18 日(日)に開催される。
・夜間中学を全県につくろうという法律ができ,三重県には今年夜間中学ができ、岐阜県は調査に向けた準備をしている段階だ。
・愛知県は全国的に見て、最も夜間中学が必要とされている。不登校の生徒が形式卒業で学力がないケース、外国人の子どもたちで義務教育を受けられなかった人たち、戦前戦後の混乱で学校に行けなかった高齢者等が日本で 2 番目に多いと言われているが、夜間中学設立の動きは鈍い。
・昨日、笹山さん(愛知夜間中学を語る会 代表で、自主夜間中学を運営されている)と県を訪ねたが、 愛知県の担当者は、全くやる気がない状態で、これから研究しますと言っていた。こういう状況では 困るので、12 月 18 日(日)に公立夜間中学の設立集会を開催する。ぜひご参加いただきたいし、関心のありそうな方にも周知していただきたい。

(労働者協同組合について)
・以前、労働者協同組合について報告させていただいたが、今年 10 月に「労働者協同組合法」が施行された。市民が仕事を作っていく仕組みであり、海外ではこういうしくみで新しい仕事をどんどん作っ ている。法律の周知のためのフォーラムが 11 月 6 日に開催されるのでご案内したい。現在 NPO 法人 として活動されている方々にも今後の持続可能な組織の枠組みの参考になると思うので、関心のある 方はぜひご参加いただきたい。

【日時】令和4年11月6日(日曜日)14時00分から16時30分
【会場】ミッドランドホール 名古屋市中村区名駅4-7-1 
ミッドランドスクエア オフィスタワー5F
【オンライン】Zoom ウェビナー使用

〇織田氏(名古屋市市民活動推進センター)
・平成 30 年からふるさと納税を活用した NPO 応援制度を運用しており、今年度は参加団体が 20 団体に増えた。今年の取り組みとして、参加団体の NPO を楽しく知っていただくためのカルタを作ったのでご紹介する。楽しく知って、ふるさと納税や投票で NPO を応援して欲しい。
・「ポストコロナを見据えた伴走支援事業」を行っており、5 団体の募集に対して 11 団体から応募があった。

1.話題提供

■テーマ:『カタリバからLivEQuality(リブクオリティー)まで ~NPOの立上げから急成長する組織づくりまで~』

■スピーカー:岡本拓也氏(NPO法人LivEQuality HUB代表理事)
大学を一年休学しバックパッカーをしていた時にバングラデシュで出会ったマイクロクレジットの光 景が、今に至るNPO活動の原点。東日本大震災をきっかけに経営を担うことになったNPOカタリバ、そ してコロナ禍をきっかけに始めたシングルマザーの居住支援事業LivEQualityを中心に、取組とその背 景についてお話しいただいた。

〇自己紹介
・20代で公認会計士になり、企業再生の仕事をしていた。
・30代で(32歳)企業再生の仕事を止めて、NPO一本で活動するようになった。。
・40代で名古屋に帰って親の事業(建設業)を継いだ。コロナ以降に「NPO法人LivEQuality HUB」を立ち上げた。
・本日は、2011年の震災以降に常務理事、事務局長として係わり始めた「カタリバ」について前段で話した後、2021年に始めた、母子の居住支援事業(LivEQuality)について話したい。

〇カタリバについて
・カタリバは「どんな環境に生れ育っても未来をつくりだす力を育める社会に」というビジョンを掲げて「日本中の全ての10代の意欲と創造性を引き出させる社会」をめざして、様々な事業を展開している。
・少し前になるが「コロナで困窮する子どもを、誰ひとり取り残さない」という目的で、コロナ禍において外から見えにくい格差や課題にアプローチするためのクラウドファンディングを実施し、 「あの子にまなびをつなぐプロジェクト」という遠隔で繋ぐデジタルソーシャルワーカーの教育版 を立ち上げた。
・事業収益の内訳は、全収益12億3千万円のうち7割が寄付という構造で、多くの寄付が集まる団体に なっており、約10億の事業を行っている。

〇カタリバとの出会い
・学生時代(25年前)にバックパッカーをやっていて、30か国くらい回った。たまたま最後に訪れたバングラディッシで「グラミン銀行」という仕組みに出会った。「グラミン銀行」は、2006年にノ ーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス教授が作った“金融の仕組みで貧困問題を解決する”ためのしくみで、貧困などの理由で、今まで、金融アクセスから排除されてきた女性、特にシングルマザー等にお金を貸し付け、彼女たちが起業し、そして返済する。返済率はかなり高い。
・「グラミン銀行」に出会い、それまで、国連で働きたかった私は、良き“パーパス“を掲げてビジ ネスを実施することで、社会の課題解決が促進されて、国連もそのやり方をまねているという話を聞いて、非常に感銘を受けた。そこからずっとソーシャル、社会課題解決のところに気持ちがある。
・とはいえ、先ずはしっかり社会に役に立つスキルを身に着けようと公認会計士を目指し、公認会計士になった後は、企業再生の仕事をした。
・一方で、何のために働くのか?という気持ちはずっとあり、そういう時に出会ったのが、ソーシャルビジネスという分野だった。そこで、プロボノ(ボランティア)として彼らと関わり、カタリバと出会ったのもこの頃である。
・カタリバに出会い2年ほど理事をやっていたが、本業も、プロボノも多忙を極め、悩んだ末、ビジネスの世界からNPOの世界に振り切った。

〇カタリバの成長と気づき(大事なこと)
・私が、職員(事務局長)になった時は、カタリバの職員は8名だった。そこから、震災以降、女川に入ったころは24名になり、そこから1年後には職員は約40名になった。このように、カタリバは急成長していった。
・たくさんの学びや失敗も重ねてきた。そうした中で、特に事業拡大期に大事だと思ったことは、経営の仕組みだ。しかしもっと重要なのは、仕組みの運用で、企業再生に関わっていた時もそうだっ たが、うまくいっていない会社ほど、使われていない仕組みがたくさんあった。また、NPOにおいて は、対話を欠かさないことがとても大事だということも学んだ。当時私は東京に、代表の今村久美 は東北を回っていたが、月に1回は2~3時間、必ず話すようにしていた。
・また、トップ経営のあり方が、組織の隅々にまで影響を及ぼすし、その責任から逃れられないと腹 を決めた時に、謙虚になれたし、いろんなことに向き合えるようになった。
・特にNPOで大事なことは、人を「機能」として見ないことだと思っている。勿論、個人個人の得意は あるが、それは「機能」というより「人格」であり「個性」であるという側面が強い。人が入れ ば、組織は少しずつ変わっていくし、「個性」を大事にすれば、それは必ず本人に通じる。
・結局、組織にとって重要なのは愛と信頼だと思う。ある意味で家族のように迎え入れたり(片思いの 場合も多いと思うが),愛を届け、そして「最適解」以上に皆が考えた「納得解」を重視する。

〇故郷名古屋へそして「LivEQuality」の設立へ
・私は、「あいりん地区」などが有名な大阪の西成で生まれ、小学生の時、名古屋に引っ越した。もの心つくかつかないかの時期だが、この環境が、今の活動に影響しているのかもしれない。
・父が突然亡くなったことをきっかけに名古屋に戻り、父の建設会社を継ぐことになった。未知の建設会社で頑張ったが、コロナをきっかけにちょうど震災前のような気持ちになり、こんな時だからこそできること、自分だからできることは何かと考えるようになった。
・失業者が増える中で、建設会社だからできることは何かを必死に考えた。そんな中で見えてきたのが「LivEQuality」という事業だった。「LivEQuality」は、誰にとっても先ずは住まいが大事だと いう考えに立脚した事業で、この名称には「Live(くらし)」「Quality(豊かさ)」に加えて、真ん中に「Equality(公平さ)」というメッセージが込められている。
・全ての困っている方に住居を提供できるほどのリソースをもっていないため、一番困っている方は誰かといろいろ見ていく中で、世界中で女性がコロナの影響を受けており、特にシングルマザーが 住まいを無くしているという状況や負のスパイラル「住まいが無い」→「行政支援が受けられな い」→「保育園を使えなくて仕事が見つかられない」→「仕事がない方に部屋を貸す大家さんはい ない。」・・・に陥っていることを知った。
・そこで、シングルマザーに部屋を貸す大家さんがいないのであれば自分達が大家になろうと考え、生活困窮者向け居住支援、特にシングルマザー向け居住支援を始めようと思い、震災直後の5月くらいから構想を練った。そこから1年足らずで、物件を取得し、なんとかスタートできた。
・他の大家さんが受け入れない方々ということもあり、入居者の状況は、かなり厳しいものだった。最初の入居者は、外国の未婚のシングルマザーで、こういう方を受け入れて判ったことは、誰かが、伴走支援(近くにいるよという存在)が非常に大事だということだった。
・最初は、地域のNPOと連携しようと思ったが、一番大事なこの部分を外の方に任せるのであれば、い っそ自分たちでやろうということになり、地域のHUB(ハブ)になれるように、また、居住者さんのHUB(ハブ)になれるようにとNPO「LivEQuality HUB」を立ち上げた(2022年1月設立)。
・住まいが無いという課題に対しては、物件を取得しなるべく安価に住まいを提供するという事業を 行っており(ソーシャル大家事業)、また、つながりが不足しているという課題に対しては、「み んなが連携してサポートするしくみ」、「やさしさが循環していくしくみ」を作りたいと思って取り組んでいる。
・現在、新栄にビルを取得し、2階をコミュニティースペースにしながら気持ちのいい部屋をシングルマザーの母子に提供している。日当たりもよく、オートロックもついていて入居者の皆さんには大変喜んでいただいている。

〇実際の入居者;外国籍のシングルマザーの場合
・夫からDVを受け、県外から生活保護受給の姉の家に避難、子どもは3歳と5歳、日本で仕事をしたことがない、日本語は片言しか話せない、銀行口座は夫名義だったので貯金がない、母国に帰りたい が、子どもは日本国籍で母国語が話せないから日本で育てるしかない。 ・・・このように、最初に入居したシングルマザーは、かなり厳しい状況だった。
・親族(姉)の家も広くなかったので区役所に相談したが、住所がないため行政支援ができないと言 われてしまった。たまたまこのことが新聞に取り上げられたことで区役所から連絡があり、すぐに 連絡を取り合い、入居していただくこととなった。それからすぐ仕事も見つかり、何より子どもた ちが元気になった。先日も算数で100点を取ったと言って見せてくれた。
・この方から英語のメッセージをいただいたのご紹介したい(以下日本語訳)。
『こんにちわ👋 私は以前、書類のことなど沢山の困難を抱えていました。 LiveQualityhubとは、このビルに入居した時に出会いました。 何もわからない私にいろいろと相談に乗ってくれて。 困ったことがあると、いつも助けてくれますし、援助もしてくれます。 また、いつもご飯やおやつを届けてくれます。 ナゴヤビルに引っ越してから、本当に安心して暮らしています。それも、livequalityhubのサポートのおかげです。 彼らのサポートは、すべて私たち家族にとって最高のサポートだと思っています。 ひとり親になるということは、苦労の多い人生ではなく、強くなるための旅(Journey)です。 “Being a single parent is not a life full of struggles but a journey for the strong.”
・最後の言葉が、特に印象的かつパワフルなメッセージで、我々もとても励まされた。支援する側、 される側と固定するのではなくて、お互いに成長し合いながら頑張っていけるような取り組みをし てきたいと思っている。

〇株式会社とNPOの強みを組み合わせて・・・
・今後は、別会社化を考えているが、建設会社というハードを活かし、資金を住居の方に投下しながら、ソフトの居住支援も同時にやっていくことで課題解決をしていきたい。
・我々だけでできることは「住まいの提供」と「伴走支援」だけと限られているので、食べ物の支援や教育の支援については、地域の皆さんと連携してすすめている。
・現在、私が代表理事で、建設会社も兼務しているので、事務局長をおいて、副代表には、フローレンス(病児保育のNPO)で働いていた方に、居住支援の分野は、シングルマザー支援のプロフェッショナルの神さんという方にご参画いただくなど、ご縁があったいろんな仲間達と一緒に事業をすす めている。
・我々の周りには、「名古屋市市民活動推進センター」「レスキューストックヤード」さんなどの、 いろんな団体がいらっしゃるので、周りの皆さんとも連携し合っていきたいし、我々ができること があれば、何でもお手伝いしたいと思っている。
・このように我々がすすめようとしているのは、事業づくりであると同時に、地域づくり、地域の取 り組みづくりだと思って頑張っている。

〇営利と非営利の2つの組織の代表だからこそ気づけたこと
・私が営利と非営利の2つの組織をやっていて思うのは、相互理解の大切さだ。時間に限りはあるが、それぞれの組織で分け隔てなく、みなさんとできる限り丁寧に接するように心がけている。同時に 数字に対しては厳しく見るようにしており業績が悪ければ、先ず上の方からだが、報酬を減らし、 いい時には分け合うというように事業に対する数字はしっかり見ている。
・何より自分がやりたくてやっている事業なので、大変な状況も楽しんでいくこと、オーナーだから こそ、自分に厳しく自分に正直にやっていこうと心がけている。
・最後に震災直後から私がずっと大事にしている大好きなアフリカのことわざを紹介したい。
「早く着きたければ、1人で行け」「遠くに行きたければ、みんなで行け」
If you want to go Fast, go Alone If you want to go Far, go Together.

■質疑等
〇菊池氏(日本福祉大学)
・グループ内では、岡田さん(登壇者)と同じグループだったが、居住は基本的人権であり、生存権の問題だということや、行政との関係について話し合った。この内容について、岡本さんから、改めて全体で共有していただけないか?

→岡本拓也氏(LivEQuality HUB)
・行政にも思いのある方がいて、少しずつ話はすすめている。行政のアプローチとしては公営住宅があり、制度としてはしっかりしている。ただ、1 回住み始めると入居要件が外れても退去しないなどの 理由から、都心の公営住宅は、ほぼ住めなくなっており、我々の名古屋ビルディングのように都心に アクセスのよいところは、ほぼ無い状態である。先ずは、民間ベースで事例を作り、特に区役所の皆 さんからは、よくご紹介いただくので、今後、さらに深い連携をしていきたいと考えている。
・欧米ではハウジングファーストの考え方から、一定以上をアフォーダブルハウジングにしていくとい う政策をとっていて、実際にパリ、ニューヨーク、ロンドンでは、そのような住宅政策をとっている。 そのことでスラムを作らないという発想もあるようだ。日本も右肩上がりの状況から変わってきてい る中で、欧米のように民間と連携した取り組みが広がる可能性はあると思う。

〇浜田氏(レスキューストックヤード)
・困っている方が、岡本さんのところにどうすればたどり着けるのか?という意味では行政との連携は大事だと思うが、今までは行政を通さずに、岡本さんのところに話が来るケースが多いのか?

→岡本拓也氏(LivEQuality HUB)
・行政からの紹介や児童相談所からの紹介、支援団体からの紹介といった、紹介によるケースが多くを占めている。困難を抱えている方は、中々自分ではリーチできないが、行政の信頼性から先ずは行政 に相談されるので、そこからうまく連携を取らせてもらっている。

〇関口氏(フリージャーナリスト)
・個人として、1 市民として何かお手伝いできること、応援できることはあるのかを教えて欲しい。

→岡本拓也氏(LivEQuality HUB)
・ちょうど支援イベントを開催している。「リブクオリティーハブ」と蛇の「ハブ」をかけて、
「マンスリーHUB さん;月々1,000 円からご支援いただくマンスリーサポーターになる」
「おすそわけ HUB さん;米やレトルト等の食品支援」
「クラファン HUB;クラウドファンディングで支援」、
「シェア HUB さん;LQHUB の記事や情報をシェア」、
「お手伝い HUB さん;ひっこしのお手伝い等」 ・・・などのいろんな形の支援をお願いしている。出来ることで、応援していただけることが大変ありがたいと思っている。まだ、立ち上げたばかりで、資金的に厳しいところがあるので、もし、マンスリ ーサポーターになっていただける方がいらっしゃれば本当にありがたい。ただ、シェアしていただい たり、知っていただくだけでも大変ありがたい。
<LQHUB さん募集中; https://livequality.co.jp/lqhub>

〇浜田氏(レスキューストックヤード)
・カタリバは事業規模が大きくなったが、「LivEQuality HUB」はどれくらいまで事業を広げようと考えているのか?

→岡本氏(LivEQuality HUB)
・カタリバくらいの規模になるのは相当大変だと思っている。ただ、我々は規模を目指しているわけで はない。結果的に寄付がたくさん集まれば、もしかしたら NPOで物件を取得し、さらに安く住居を提 供していく可能性はでてくるが、規模を追求しているわけではない。
・今は、名古屋で居住支援のモデルを作りたいと話し合っている。居住支援はやろうと思えば、どこま ででもできてしまうし、全てやりたくなってしまう。東京でなく名古屋でモデルを作る意味は名古屋 でできれば仙台など、ほかの地域でもできるようになるからだ。
・実際、居住支援の取り組みをやっていて、全国から、かなりの問い合わせをいただいている。居住支援は名古屋だけの課題ではないと思っている。ハブをさらにもう一段上げて、全国のサポートも担えるようになれば事業の規模はもう一段、二段、大きくなるのかなと思っている。
・現在は千年建設から貸付を受けているが、3 年後には、単体で黒字にしたいと思っている。自立する ためにも最初から規模を追わずに、基盤を整えて、自分たちがどこまでできるのかというモデルづく りを先ず、やっていきたい。

〇浜田氏(レスキューストックヤード)
・大きな災害が起こって、今の事業がそのままは続けられないような状況になった時、どのような対応を想像されているか?

→岡本氏(LivEQuality HUB)
・2 つの側面がある。「自分達の事業をどうするのか?」と「大震災にあたり何をするか?」だ。何をするか?というところでは、社屋や名古屋ビルを開放したり、住まいを提供すること以外にも 「LivEQuality 」や「千年建設」という枠組みを超えて、とにかくみんなでできることを持ち寄って、 カタリバで被災地によく行ったが、あの時のような熱量で力を尽くしたい。
・私と同世代が全国にコミュニティー財団を作っているが、彼らとも連携するし、他の地域からいろん な方が助けてくれるとも思っている。ただし、我々は災害支援のプロではないので、レスキュースト ックヤードさんとも連携しながらできる限りのことをやらせていただきたいと思っている。
・自分達の事業については、もしかしたら、事業モデルがガラッと変わってしまうのかも知れないが、 私は、決して今のモデルに固執しているわけではない。コロナが起こった時には、先ず住まいが必要 だと思い住まいを提供したし、住まいを提供してみたら繋がりが必要だと思って NPO を立ち上げた。
・さらに、今後は、別会社化して自分たちの資金力以外のインパクト投資家などと一緒に物件取得しよ うと思っており、その時々の状況に応じた事業づくりをしてきた。
・大きな災害が起これば、さらに大きな課題が出てくると思うが、その時々で迅速に意思決定を行い、 皆様と共に行動しながら災害に向き合っていきたいと考えている。

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