第1回:こどもNPO、セカンドハーベスト名古屋など
日時:2020年5月19日(火)16時00分~17時00分
場所:WEB会議(ZOOM)
参加団体:58 団体(運営 9 団体含む)
参加人数:71 名(運営スタッフ 14 名含む)
1.チェックイン
■認定 NPO 法人レスキューストックヤード 代表理事 栗田暢之
新型コロナウィルスの影響が深刻化し、NPO 業界も強く影響を受けています。我々が困るということは、様々な社会課題の担い手が喪失するだけでなく、受益者や市民はさらに影響を受けることになります。この会議は、ジャンルを問わず、NPOはじめ多様なセクターが「おたがいさ ま」の精神で知恵を出し合う場になることをめざしています。初めから全力で取り組むではなく、 むしろ息長くゆるやかに進めていきたいと思っています。愛知県、名古屋市、愛知県社協、名古屋市社協にも協力団体として参画いただき、また、企業、生協、大学関係者、NPO など多様なセクターにお集まりいただきました。可能な限り課題解決につながればと願っています。
2.課題解決セッション
■NPO 法人こども NPO・根岸氏
当法人は子どもも市民の一員として、社会参画していく場づくりや子どもの権利を保証するための活動をしています。コロナ禍では、イベントだけでなく、日常の中にある学校や居場所も休止し、ニーズを拾うことが難しくなってきました。メディアは、大人目線で発信されていく傾向があり、子ども自身の声がおざなりになっている印象もあります。また、子どもが感染すると周囲から差別的な視線がむけられ、情報がさえぎられてしまうことも懸念しています。海外では、家庭内DVや虐待など、行政では対応しにくい部分を、近隣住民に協力を求めている国もありますが、日本ではあまり見られません。また、インターネット環境のない世帯も多く、情報不足を補う意味でも、身近な市民の協力が必要です。こうした背景から、これまで培った平常時のつながりを生かし、行政とも意見交換しながら、まさにニーズとシーズとの橋渡し役になるよう取り組んでいます。
■認定 NPO 法人セカンドハーベスト名古屋・山内氏
当法人は、東海三県の市町村からの依頼を受け、生活困窮者への食糧支援を行っています。コロナ禍においては、1.7 倍に要望が増えています。現状の課題としては 3 つあります。1つ目は 「提供いただく食品の偏り」です。学校給食がなくなった影響もあり、業務用のものが増え、子ども食堂などで活用いただいている一方で、家庭に届ける個装のものが不足しています。2 つ目は「人手不足」です。普段は 50 名のボランティアに支えられていますが、今は来ていただいていません。3 つ目は「企業の社会貢献の低下」です。企業も著しい業績悪化にありますので、仕方がないことではあります。
■NPO 法人ボランタリーネイバーズ・青木氏
県内 NPO に対し、新型コロナウィルスの影響に関する緊急アンケート(回答 210 件)を行いました。速報はすでに当法人のホームページにて公開し、近日中に全体像をまとめた最新版を発 信予定です。内容としては、NPO 自体への影響と活動対象者への影響の2つに分け調査を行い、 多くの団体が、活動の中止や財政のひっ迫、今後の不安を訴え、また子どもやその母親、高齢者や障がい者などの孤立・孤独の深刻化を懸念する声が目立ちました。なお、情報共有の場を求める声も多く、この会議もその一つになると考えています。
■根岸氏への質問
Q:行政や社協との連携について教えてほしい(会議Co.・小池氏)
A:行政の動きは足並みを揃えてから本格的に動き始めるため時間がかかります。その分、小回り の利く NPO の自主事業でトライアルな取り組みを行い、行政や社協とも情報共有しています。
※関連団体からのコメント:伊藤氏(NPO 法人子ども&まちネット)
おやこ広場などの事業がコロナ禍で中止せざるを得ない状況です。子どもは親だけでなく、親以 外の大人から声掛けしてもらう斜めの関係性や友だちと一緒に成し遂げる経験も重要ですが、場 を失っているため、後々「コロナ世代」と呼ばれるかも知れない将来を心配しています。
■山内氏への質問
Q:NPO や他の団体に出来ることは?(会議Co.栗田)
A:フードバンクは倉庫業が主で、ボランティアの存在が必要不可欠です。ボランティアに頼めな い状況で、行政からの依頼は急増しています。同様の組織は全国に 10 団体ありますが、どこも崩壊の危機に陥っています。
※ 参加団体からのコメント(つなぐ子ども未来・小塚氏)
子ども食堂を運営しています。コロナ禍により現在は閉所中ですが、食品を届ける「フードパントリー」を行っています。そもそもニーズを集めに行くこと自体が困難な状況ですが、出来る限りのことをしたいと思っています。
Q:社協との連携は?(NPO 法人 SmileyDream・桜井氏)
A:社協との連携は密に行っています。先日、食品不足について市社協を通じて発信したところ、 愛知淑徳大学から防災備蓄食糧を寄付いただきました。団体の現状を発信するだけでも、支援を受けることに繋がるのだと分かりました。
■全体を通しての質問
Q:中には手作りマスクを送る等、意欲的な社員もいます。一方で、もっと現実的に役に立つボラ ンティアを求める声もあります。社内から感染者が出てしまっていますが、そのような状況でも 受け入れてもらえる可能性はありますか。(トヨタボランティアセンター・窪田氏)
A:愛知淑徳大学でも学内外の活動を自粛しています。そんな中でも、手作りマスクを子ども達に届ける、郵送などで学習支援を行う等、少しずつ動き始めています。限られた環境でも、学生た ちの想いをうまく生かせるよう心掛けています。(愛知淑徳大学 CCC・秋田氏)
A:徐々に緊急事態宣言解除の動きが見えてきました。自治体とも連携してガイドライン的なもの も考える機会を設けていく必要もあります。(会議 Co.萩原氏)
A:JVOAD でも、内閣府と連携して、コロナ禍で災害が発生した場合のボランティア・NPO の 対応についての検討を進めています。ガイドラインは、一つの判断基準として、一定の役割は果 たせると思っています。(会議 Co.栗田)
Q:コロナ禍でもボランティア保険の対象にしてもらえないか。(防災ボラネット守山・鷲見氏) A:現時点で、ボランティア保険の適用は難しいのが現状。活動中にボランティア自身が感染する、 または誰かに移してしまった時の証明が難しい。また損害賠償の対象にもなりかねません。(司法 書士・林氏) A:全社協のボランティア保険では、コロナに感染した場合も対象とする発表がありました。愛知県下の同保険は保険会社が異なるので対象外となっています。しかし全社協の保険でも、ボラン ティア活動中に感染したことをどのように証明するか課題は多いです。(名古屋市社協・野川氏)
3.情報共有
『新型コロナウィルス避難生活お役立ちサポートブック』の紹介
■認定 NPO 法人レスキューストックヤード・浦野
RSY は JVOAD 専門委員会に参画しています。コロナ禍において災害が発生した場合、避難所 運営が可能なのかという声を受け、動く時のヒントになればと考え発行に至りました。そもそも 避難所は 3 密に反する環境になります。しかし、避難者やその場にいる支援者で主体的に動かな ければ避難所運営は難しいのも現実です。そこで、前提条件を設け、それに沿ったルールを提案しました。JVOADのホームページから無償でダウンロードできますので、コピーするなどしてすぐに使えます。なお、今後の社会情勢に合わせて随時更新していきます。研修メニュ ーとして、地域で展開していくことが重要だと思っています。
4.次回の予定
2020 年 5 月 26 日(火)16 時 00 分~17 時 00 分
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